「英彦山大権現」福岡県添田町/"HikosanDaigongen" Soeda-town Fukuoka-pref.

「英彦山大権現」福岡県添田町英彦山

福岡県と大分県にまたがる英彦山 (標高約1200m)は、平安時代より大分県の宇佐神宮を中心とする国東半島と共に九州における神仏習合の一大聖地でした。とりわけ英彦山は大和・大峯山や出羽・羽黒山と並ぶ日本三大修験道上の一つとして隆盛を極め、鎌倉時代には後伏見天皇の皇子・助有法親王を座主に迎え、それ以来英彦山座主は皇室の血を受け継ぐ一族の世襲制となり、その宗教的地位を不動のものとします。雪舟が滞在した室町時代の英彦山はその最盛期で、英彦山大権現と神宮寺・霊仙寺を中心として山上に3800もの宿坊がひしめき1万人以上の人々が暮らす天空都市だったのです。安土桃山時代になると一大勢力に成長していた英彦山の山伏たちは戦国武将達に抵抗します。その結果、まずは大分を所領としていたキリシタン大名の大友宗麟に、続いて豊臣秀吉に、二回の大規模な焼き討ちに遭い、堂塔は焼け落ちます。それは比叡山の焼き討ちに並ぶ大事件でした。こうして一時は衰退した英彦山でしたが江戸時代になると九州の大名家の信仰を集め、中でも細川家や鍋島家の手厚い保護によって息を吹き返し、多勢の山伏たちが英彦山の薬草を携え九州中に広がる檀家を回り権現信仰を広めていきました。しかし明治の神仏分離令によりそのすべては消滅し、英彦山大権現の名も人々の記憶から消えて行きました。今では英彦山神宮を残すのみとなっています。明治以まで、ほとんどの坊では薬草と茶の栽培が行われ、茶室と庭園がありました。それらの庭園遺構は現在も山内のいたるところに残され、そのうち代表的な5庭が国の名勝に指定されています。

昭和54年、英彦山大権現の記憶とその名前を蘇らせ後世に受け継ぐべく、かって最も古く格式高い坊が立ち並んだ玉屋谷の最下段にあった宿坊「滝の坊」跡地と、「もみじ庵」の2つのエリアに、池泉(滝の坊・古庭園含む)・鑓水・枯山水などの庭園群が作られ「英彦山大権現」と命名されました。新い庭園群は、現代を代表する造園家・北山安夫が手がけ、15年間にわたり整備され続けています。それらの庭は、かって山伏たちが修行した岩窟神社や苔むした坊の古い石垣と寄り添い、また美しい英彦山の大自然と溶け合い、1000年以上の長きにわたって英彦山で花開いた在りし日の神仏習合に基づいた庭園文化を蘇らせると同時に新しい息吹が吹き込まれ、素晴らしい風景を形成しています。ちなみに「岳陽楼」額は北山氏の自筆です。英彦山大権現は誰でも自由に無料で見学できます。是非足を運んでください。

北山安夫の作品

2022年、春の風景

◼︎名称:「英彦山大権現」

◼︎住所:福岡県田川郡添田町大字英彦山字樫ケ谷

◼︎TEL:0947-85-0335

◼︎公開時間:9:00-17:00

◼︎定休日:無し

◼︎料金:無料

◼︎駐車場:有り(無料) 

◼︎アクセス:自家用車での訪問をおすすめします。

"HikosanDaigongen" Hikosan Soeda-town Fukuoka-pref.

Hikosan flourished in a religious form unique to Japan mixed from Shinto and Buddhism since the Heian period. The Hikosan Daigongen shrine and the Reisen-ji temple are the big core, with the 3800 small temples attached, which was built in the mountain of 1,200 m above sea level. Each small temple cultivated medicinal herbs and tea and had a tea room and a garden. It is reported that artist Sesshu representative of Muromachi era stayed here for three years and made three gardens. In Hikosan many Yamabushi/山伏 and others were training in harsh nature. There were 49 caves in the mountain to meditate. But all of them disappeared in the Meiji era. Currently only the Hikosan Jingu shrine remains. This Hikosan Daigongen is a group of gardens made to commemorate the old Hikosan.

2022 spring landscape

A work by Yasuo Kitayama.

◼︎ Name: "Hikosan Daigongen"

◼︎ Address: Soeda-cho, Tagawa-gun, Fukuoka Prefecture Hikosan Oaza kashigadani

◼︎TEL: 0947-85-0335

◼︎ Opening hours: 9: 00-17: 00

◼︎ Regular holiday: None

◼︎ Price: Free

◼︎ Parking lot: Yes (free)

◼︎ Access: We recommend visiting by private car or rental car.

日本庭園       The japanese gardens

九州と中国地方の日本庭園を中心に紹介するサイトです。 This site introduces Japanese gardens in the Kyushu and Chugoku regions of western Japan with beautiful photographs and explanations in Japanese and English.

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