「秋月武家屋敷 久野邸」福岡県 / “Akizuki Samurai Residence Hisano House “ Fukuoka Pref

「秋月武家屋敷 久野邸」 福岡県朝倉市秋月

この「久野邸」は、秋月藩上級武士の武家屋敷で、秋月城下町のなかで最もよく保存整備されています。屋敷の建築年代は調べたのですが、はっきりわかりませんでした。建具などが後代に取り替えられており、実際の印象では江戸末期、そして主に明治の趣をたたえた建築です。邸内の建具には、すりガラスの技法で模様をいれたガラス障子が多く見られ、これは主に明治から大正の近代和風住宅で目にするものなのです。しかし、全体的には近代和風住宅ではなく江戸時代の建築様式を踏襲しているようです。母屋一階は大変質素で贅沢な設えはほとんど見られません。座敷の床間には床脇はもちろん床柱さえなく吊り束の設えで、男性的で質実剛健な武家屋敷の様相を今によく伝えています。一方、二階には大きな円窓があり床間や優雅な違棚なども設えられ、客間として機能していたことを伺わせます。二階からのぞむ秋月の山々やモミジは目に清々しく、窓を開け放つと心地よい風が座敷を吹き抜けていきます。一説によるとこの二階は秋月藩のお姫様が来られた時に城を遠望してもらうために作られたそうです。そもそも上級武士と言えども二階を作ることは許されていませんでした。それを久野家は特別に許されていた訳です。また久野家の屋敷の敷地は同じクラスの武家の屋敷の敷地に比べると二倍の広さとなっています。この他、渡り廊下の先には離れがあり、床には炉が切られ、水屋があり、天井は網代張りで、数寄屋様式の茶室となっています。独立した雪隠も設けられ隠居部屋としても使えそうです。この離れの建築年代も不明ですが大きな一枚板のガラス戸が使われている点から判断すると少なくとも昭和期に一度手が加えられているようです。それ以外に現実の生活に密着した台所や蔵、その他使用人が作業したエリアなどの見学もできます。実はこの久野邸は、久光製薬の創業一族の母方の御実家で、現会長の母方のお祖母様にあたる久野悦さんが99歳でなくなるまでお一人でこの屋敷を守っておられました。悦さんは茶人として生きた方で、武家の女性ならではの「老いてなお美しい」凛としたお姿をうつした写真が邸内に飾られています。そのような経緯で久光製薬はこの久野邸を所有し、企業の社会事業の一貫として、屋敷の修復復元工事はもちろん、茅葺きの拭き替えなども行っているのです。そのおかげでこの武家屋敷は大変管理が行き届き、常に美しく保持されています。また建築だけでなく、母屋と離れに面し池庭も残されています。無論、庭も管理はなされているのですが、植栽が繁茂しすぎて池や石組が覆われてしまい庭の詳細が判別できない状態です。一度庭木を整理した方がよいかと思いました。その他、裏庭の井戸から水を流す遣水が結界のように屋敷を取り巻いている様子は久野邸がさながら小さなお城のようで、一般より更に格上の上級武家の庭園環境を見ることが出来て大変興味深い限りです。

◼︎名称:「秋月武家屋敷 久野邸」

◼︎住所:  福岡県朝倉市秋月83-2

◼︎TEL :  0946-25-0697

◼︎開館時間: ‎10:00~17:00 (入館は16:30まで)

◼︎拝観料: 300円

◼︎休館日: 毎週月曜日 ※12月下旬~2月末の期間は全面閉館

◼︎駐車場: 有り(無料)

◼︎アクセス: 甘木鉄道甘木駅前より

       甘木観光バス秋月線乗車「秋月」下車徒歩約5分

あわせて巡ることが可能な庭園 「旧田代家」徒歩1分 「清流庵」徒歩10分



“Akizuki Samurai Residence Hisano House” Akizuki, Asakura City, Fukuoka Prefecture

Hisano House is a samurai residence for a senior samurai in the Akizuki clan, the best preserved and maintained in Akizuki Castle Town. Details of the architectural age of the mansion are unknown, but at least from the Edo period to the Meiji period. The interior of the main building's first floor, built during the Edo period, is very simple and rarely seen in luxury. Hisano’s residence is a good example of a simple and strong samurai residence. In contrast, the second floor has a large circular window with an elegant design, indicating that it was functioning as a guest. The mountains and maples of Akizuki seen from the second floor are clear in the eyes, and when the windows are opened, a pleasant breeze blows through the parlor. According to one theory, this second floor was made to give a distant view of the castle when the princess of the Akizuki Domain came. In addition, there is a Sukiya style tea room at the end of the corridor. This Hisano residence is owned and managed by Hisamitsu Pharmaceutical. This is because the founding family's maternal parents' home. As part of the corporate social business, we not only repair and restore samurai residences, but also wipe off the thatched roofs to keep them beautiful. In addition to the architecture, there are a pond garden, an inner yard, and a back yard. You can also see the garden environment unique to samurai residences.

◼︎Name: "Akizuki Samurai Residence Kuno Residence"

◼︎Address: 83-2 Akizuki, Asakura City, Fukuoka Prefecture

◼︎TEL: 0946-25-0697

◼︎Opening hours: 10:00-17:00 (entry until 16:30)

◼︎Admission fee: 300 yen

◼︎Closed: Every Monday *Closed from late December to the end of February

◼︎Parking: Available (free)

◼︎Access: From Amagi Railway Amagi Station

Take the Amagi Tourist Bus Akizuki Line and get off at "Akizuki" and walk for about 5 minutes

Gardens that can be visited at the same time: "Kyu-Tashiro-ke" 1 minute walk, "Seiryu-an" 10 minutes walk

日本庭園       The japanese gardens

九州と中国地方の日本庭園を紹介するサイトです。 This site introduces Japanese gardens in the Kyushu and Chugoku regions of western Japan with beautiful photographs and explanations in Japanese and English.

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